6月12日質問項目1
1.令和7年出生数・合計特殊出生率
○山陰中央新報:山陰中央新報の岸本と申します。よろしくお願いします。
○丸山知事:お願いします。
○山陰中央新報:まず1点目なんですけども、厚生労働省が3日に公表した人口動態統計では、島根県内で2025年に生まれた子どもの数は283人減の3,339人、合計特殊出生率は0.02ポイント減の1.41で、島根創生計画で掲げた長期目標達成に向けた25年の目標よりも0.11ポイント低く、婚姻数は6組増の1,988組でした。これについて率直な受け止めと分析をお願いいたします。
○丸山知事:今、岸本記者からも御説明があったとおり、全国の数字は令和6年から0.01ポイント下がって1.14、本県の数字は全国順位は前年と同じく5位を維持したものの、絶対値としては0.02ポイント下がって1.41となりまして、いずれも過去最低となったところであります。出生数につきましても、同じく過去最少を更新している状況にございます。合計特殊出生率、また出生数の減少が続いている状況を深刻に受け止めているところでございます。
こうした背景には、従来の様々な経済環境に加えて、近年の物価高騰と、それに対応する賃上げが所属する企業の属性によって大きく異なる、地域によって大きく異なるといった傾向があり、実質賃金の減少が島根県を含めて、地方でより強めに出てるということも含めて、若い世代が将来への不安から結婚や出産といった大きな選択をためらわざるを得ない状況に陥っているということが原因だというふうに私は認識いたしております。率直に申し上げて、地域的な要因というものでは説明できない数字が全国で広がっていると。
出生数の減少については、出生率が改善する地域もありますし、若干まだらなところはありますけれども、本県も減少幅は縮まってますので、私自身は児童手当の増額とか所得制限の廃止といった形での直接的な子育て世代への給付が、たしか令和6年の10月からだったと思いますけども、始まったということの影響がプラスに働いているということはあるというふうに思ってまして、そういった意味では、我々は、ちょっとまだ反転までは行ってませんけども、減少幅が縮まっていくという意味では、ちょっと下げ止まりのところで早く反転に持っていきたいというふうに思いますけれども、アメリカとイスラエルのイラン攻撃から発生したホルムズ海峡の閉鎖、原油の輸入途絶といったことを受けての今の状況というのは、物量は足りてるというお話ではありますけれども、残念ながら価格は上がるのが当たり前というような状況ですし、十分な在庫を持てなくて、途切れたらどうしようという意味で、仕事を受けること自体をためらわざるを得ないとかっていう経済活動の萎縮も懸念されるところでございまして、残念ながら、今年の数字というのは、言ってみれば1年前の数字、10か月前の数字です。足元の数字が、残念ながら去年よりも今年が悪くなってるという状況が恐らく来年の数字で表れてくるということになると思いますので、来年の数字がほかの県は一部、増に転じたと、それから増が続くというふうに、今の数字のトレンドはそうですけども、そのベースになるものがちょっと壊れつつあるというふうに思っておりますので、来年の数字は、去年から今年にかけての改善傾向というものが吹き飛んでしまうんじゃないかというようなことを懸念せざるを得ない、客観的に見れば、多分そういうこと。金利も上がってますし、円安もまだまだ進んでるという状況でありますから、先行きもまだ厳しいということで、全体の経済環境をよくしていく、なおかつ社会の中で蔓延してるというか、拡大してる格差の問題を、地域的な格差、また個人、家計の間の格差等の縮小とか、それのベースになるような教育の充実といったことを含めて、社会経済システム、これまでのとおりでいいんじゃないかっていう方々、今の暮らしでいいと思ってる方というのはごく僅かの方々だけだと思いますので、システムを変えていくということを島根県としても島根創生計画で盛り込んでおりますので、日本全体の仕組みの改善、そして島根県、また島根県内の市町村と共に取り組んでいける、県民の皆さんへのサービスの向上だったり子育て支援などの充実といったことに、さらに一段、もう一つ、どういうことに取り組めるかということを考えていかなきゃいけないというふうに考えているところであります。
○山陰中央新報:ありがとうございます。
関連なんですけども、交際して結婚、子どもを産もうとする決断であったりとか、妊娠、出産、育児、教育といった様々なフェーズがありますけれども、婚外子が少ない日本では、婚姻数が出生数に大きく関わってくるため、出生数を増やすには、いかに結婚してもらうかが大事なんではないかというふうに思います。その土台には、知事がかねておっしゃっている実質賃金の格差是正といった収入を向上させる構造改革をして、将来不安を取り除いていく必要があるというふうに感じるところではあるんですけども、婚姻数を増やすために県として取り組むべきこと、また、足りてないというふうに感じる対策というのはあるんでしょうか。
○丸山知事:いや、先ほど言われた原因分析は、何か県の取組で何とかなるってレベルの話じゃないでしょう。これだけ非正規雇用が拡大するという状況を改善するのは、これ法制の問題でしょう。法的に縮小していくとかっていうやり方だってあるでしょうし、人材派遣会社がこんなぼろもうけしてるという状況でいいのかっていうことを考えたら、人材派遣会社が取れる取り分を本人に渡す金額の一定割合に抑えるとか、そういう規制をするとか、考えられることはあるけども、どこの政党も何も言わないという状況が異常ですよね。そういう所得格差、派遣労働とか請負とか、不安定な賃金構造に置かれている方々が拡大してるということが第一の原因でしょう。それは、そういう制度を拡大したことが原因。その制度を縮めるのか、またはそれに伴うマイナスの影響を最小限にするという意味で、その間に入っている人たちの取り分を減らしていく。で、本人に渡る金額を増やしていくということ。だから、大企業、派遣請負の労働で受益を受ける人たちに対する受益を減らしていくということだったり、このビジネスで、中間マージンたくさん取ってる人たちの中間マージン減らしていくとか、考えられることはあると思いますけど、そんなことまで、ちょっとまだ創生計画に書いてませんけどね。まさに国政マター、労働法制マターだけど、もうそういうことをやっていかないと、岸本さんは今、結婚されたら子どもをつくるんじゃないかと。違いますよ。結婚ですらちゅうちょしてるんですよ。結婚ができたとしても、その先にもう一つ、子どもをつくろうと思うかって、もう一つ、次のハードルを超えなきゃいけない。結婚したら、もう即子どもをつくるとかって、そんなのならないですよ、こんな経済が厳しかったら。結婚する、つまり、今、何だかんだ、共働きとは言いながらですよ、パートナーになるってことは、仮にパートナー、相手方が体調を悪くするとか、離職せざるを得ないとなったときに支え合うっていう、そういう関係に立つってことでしょ、結婚するって。つまり人生で負う、自分自身の将来のリスクに加えて、パートナーのリスクもお互い負っていく、お互いですよ、お互い負っていくという、そのリスクをオンするっていうことです。人生のリスクをオンする、またはお互い助け合うということです。
だから、将来のリスクを上げるので、責任をカバーする範囲を広げるから、それは子どもを持つとしたらさらにオンするということでしょう。だから、それは結婚したら子どもをつくってくれるとかっていうのは、それは幻想です。結婚することが一つのハードルだし、さらに子どもを1人持とうと思うかどうかでもハードルだし、2人は、またさらにハードルでしょう。だから、昔のように十分な所得水準で結婚をしないという選択をされてる人が世の中にたくさんおられて、その方々が結婚をすれば、経済的な余裕はあるから子どもを持ってくれるんじゃないかというのが、そういう認識がちょっとしみついているのかもしれませんけど、今は一人で生きていくのもなかなかかつかつだという状況の人たちに、どうやって結婚してもらうかって話だから、そのかつかつの状況を直していくということが私は一番大事だと思うけど、出会いの場の創出とかっていう話では事が済まない状況になってるっていうのが、持たなきゃいけない認識だと私は思いますんで、何かよくある、国の補助金の制度がそうだけど、賃上げできる余裕があるのにやらずに貯め込んでるような企業はいっぱいいるだろうから、賃上げいっぱいしたら補助金あげましょうと。そしたら金吐き出すんじゃないかっていう、それと似た発想を今の若い人たちに当てはめても、なかなかそれは見当外れてると思う。その余裕がない。余裕があるのに、余裕があって結婚という選択をやろうと思えばできるし、やるやらないの自由が十分にある中でしてないんじゃなくて、本当に自分一人の生活でもぎりぎり、かつかつっていう人たちが増えてる、それが未婚化の原因になってるっていうふうに捉えるべきだと私は思いますよ。
だから、それは、出会いの場の創出とか、何かそういうレベルは、それはそれで要るんだけど、その大本の問題は、やっぱり社会構造の話だと私は思いますよ。人一人の人生選択を変えてる理由は、もうちょっとね、やっぱり全体の仕組みを変えていく、今、そういう人たちがそういうふうに思ってるっていう経済環境をどう変えていくかというのは、法制、労働法制、今のままで本当にいくのかっていう話じゃないですかね。
○山陰中央新報:ありがとうございます。
結婚支援のことでちょっと続けてお聞きするんですけれども、県としては今、婚活イベントを開いたりとか、出会いの場を確保するということにも取り組んでいらっしゃるというふうに思います。若い人からは、仕事での交流をきっかけにして、うまくいけば交際に発展していけばいいなというような、結婚を前提としないような自然な出会い方が増えたらいいという声も実際にありました。いろんな出会いをして交際、結婚に発展するために、県としては……。
○丸山知事:いや、だから、言ってるように、とにかく出会いが少ないからっていう要素はあると思いますよ。でも、それが根本的な問題じゃないというふうに私は思ってるっていうことです。出会いという問題もあるでしょうから、出会いは創っていきます。でも、今の状況は、そういうレベルを超えてるっていう認識をしています。
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